国土交通省はタクシーやトラックなどの事業者が運転手を採用する際、事故歴を把握するよう義務付けた。過去に事故を起こしたドライバーが、定められた適正診断や講習を受けないまま、別の会社で運転するケースが相次いでいるため。事故歴の把握を怠った違反事業者には、警告や車両使用停止などの処分を科す。
運転手が過去に重傷者、死者が出る人身事故を起こすなどした場合、刑事罰などとは別に、国交省はタクシー、トラック、バス事業者に対して、運転手に独立行政法人「自動車事故対策機構」の各地の支所での適正診断と、自社内での6時間以上の安全に関する講習を受けさせることを義務付けている。
しかし、診断を実施しなかったり、講習を受講しなくても罰則がなかったこともあり、ドライバーが事故歴を事業者側に伝えないまま、同業他社に移籍する例が多発していた。
過去に危険な走行で事故を起こした運転手が運転の仕方を改めないまま乗客を運ぶことにもなりかねないと、問題視されていた。
同省は昨年に改正した告示で、事業者側に、採用する運転手の事故歴を把握させ、安易な「渡り」を防止することを狙う。
具体的には、事業者側へ、採用したドライバーに警察庁所轄の「自動車安全運転センター」で、適正診断や講習の対象となる事故を起こしていないという証明書を取らせるように義務付けた。ドライバーは証明書を雇用主に提出した後に、実際の乗客業務を許される。事故歴が判明すれば、改めて適正診断と講習を受けさせるという。
事業者が事故歴の把握を怠った場合は、警告や車両使用禁止などの処分にする。繰り返して違反する事業者には長期期間の使用禁止処分を出し、「不良ドライバー」の洗い出しを業界全体で進めさせる狙いだ。
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